朗読劇の新たな局面
2025-02-13 15:46:38
役替わり朗読劇『5years after』-ver.13-の魅力と背景に迫る観劇レポート
役替わり朗読劇『5years after』-ver.13- 開幕!
2025年2月11日、東京・赤坂レッドシアターにて、エヌオーフォーがプロデュースする朗読劇『5years after』-ver.13-の幕が上がりました。今回で13度目の上演となる本作は、通算公演回数が140回を超え、今なお多くの観客に支持されています。
本作のコンセプトとキャスト
物語は、ミュージシャンを夢見る大学生、水川啓人の人生を描いています。主演の役は、20歳から30歳までの啓人をそれぞれ異なる3人の役者が演じます。前半チームには高田 翔、結城伽寿也、本間一稀が名を連ね、後半チームには馬場良馬、高崎翔太、工藤大夢が登場します。
本作の特異な点は、役者が約60役を演じ分けることです。2月11日の初日公演では、高田が20歳の啓人を、結城が25歳を、本間が30歳を演じました。役者の声や表現により、それぞれの年齢による啓人の心の変化や成長が鮮明に描かれていきます。
観客を引き込む創意と工夫
『5years after』には「台本から目を離さない」「椅子から立たない」という独特のルールがあります。この制限があったからこそ、役者たちは椅子の上で躍動感あふれるパフォーマンスを生み出し、観客を引き込むことに成功しました。特に、高田が演じる20歳の啓人は、大学生らしい悩みを抱える姿がリアルで、観客に強く印象付けられました。
続く結城の25歳は、より活動的で希望に満ちた雰囲気を醸し出し、本間が演じる30歳は故郷を離れた後の苦悩を軽やかに表現しました。三者三様の役作りが、啓人の5年間の成長を観客に感じさせることに貢献しています。
濃厚なキャラクターたち
主人公だけでなく、周囲のキャラクターたちも非常に個性豊かに描かれており、特に会話のシーンでは3人の役者がスムーズに役を切り替え、場面を盛り上げました。啓人の彼女役には、それぞれ異なるキャラ付けがなされ、会場から笑いが起こる一幕もありました。このような観客を巻き込んだ演出が、物語をより楽しませる要因の一つです。
反省会『3actors talk』での裏話
本編終了後には、『3actors talk』と呼ばれるアフタートークが行われ、役者たちが観客との距離を縮める場となりました。高田が緊張から序盤で噛んでしまったエピソードや、役作りの過程、さらにはそれぞれの子供時代の夢や思い出を語り合う姿が印象的でした。この交流が、日々の稽古を通じて培った絆を如実に表現していました。
おわりに
公演は各チーム6回ずつの全12回。全ての回が一度限りの朗読劇という仕組みは、毎回新鮮な出会いを提供しています。観劇を通し、いかに人生を楽しむかというメッセージが伝わる本作は、まさに今後の人生を考えるきっかけとなるかもしれません。ぜひ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。